2013年07月28日

水の日本地図 水が映す人と自然


東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座編 水の日本地図 水が映す人と自然

飲む水
今求められる水の三大要素は、値段と味と安全
渇水や水質事故のリスクは依然としてあるものの、ほとんどの地域、ほとんどの場合において、いつでも容易に好きなだけ水を使用できるようになった今の日本において、水に期待するものは、安く、おいしく、安全であることだろう。
浄水場で費用とエネルギーをかけた処理を行えば、水の安全性や味を向上させることはできる。
どのくらいのお金をかけてどこまで水をおいしくしたり、安全性を高めるべきなのだろうか。
あるいは、今より水源が汚れた場合には、費用をかけて今の水準を保つべきなのだろうか。

水の値段と味は主観的価値
オゾン及び生物活性炭処理といった高度処理は、安全でおいしい水を造るために導入されるが、費用とエネルギーががかかるのが欠点である。
高度処理導入によって明らかに都市の水は昔よりおいしくなった。
現在では、これ以上お金をかけて水質を高めるべきだと考える人は少なく、70%の人がこのままで良いと答えている。
水道の水がさらに美味しくなれば、水道水を飲む人がが増え、水道事業体にとって経営改善につながるはずだ、と考える人もいるかもしれない。
しかし、日本人が家庭で一人あたり一日250リットル前後使用している中で、飲み水として使われるのはせいぜい2リットル程度である。
水の味がこれ以上よくなり、水道水を飲む人が多少増えたとしても、水道事業体にとって経営改善につながらないだろう。
水道水をこれ以上費用とエネルギーをかけておいしくするべきかどうかという判断が難しいのは、水の味と値段の価値基準に主観的要素が大きいからである。

安全は客観的か
では、水の安全性が客観的に判断できるかといえばそうでもない。
安全には主観的価値観が反映されるし、リスクをゼロにすることもできないが、社会的な安全性を担保することはできる。
それには、社会として受け入れられるリスクはどれくらいか、合意を持つことが必要である。
合意形成された受け入れられるリスクよりも、水や製品のリスクが低い時に、その水や製品は社会的に安全とされる。

潤す水
日本は水に恵まれた国か
多くの日本人が「日本は水の豊かな国」と考えている。その理由としてあげられるのが、降水量の多さである。
平均降水量は、1690mm/年と、世界平均(810mm/年)の2倍にあたる。しかし、降水量が多いから水が豊かとよいのだろうか。バングラデッシュの平均降水量は2300mm/年であるが、人々は水に困窮している。一方、カナダは平均降水量900mm/年であるにかかわらず、「水の豊かな国」の称号を得ている。
水を使うためには、雨が降るだけでは不十分だ。降った雨を使う場所まで運ぶ必要がある。
人口一人当たりが使える降水量という点では日本の水資源は決して豊かとはいえない。水を貯める、そしてその水を届けるインフラが整備されているからに他ならない。

日本人が使っている水の量はどのくらいか。
家庭で使われる水は一人当たり338ℓ/日が使われている。工業用水を日本人一人当たりに換算すると、249ℓ/日、農業用水は1170ℓ/日。合計すると1760ℓ/日になる。世界全体で使われる量を平均すると、一人当たり1570ℓ/日である。さらに海外から輸入している食糧の生産に必要な水も相当量ある。

水の豊かな国は持続的か
日本では20世紀後半の経済成長にともない、インフラの新規設備を急速に進めてきた。これらは、今後ある時期に集中して老朽化することになる。経済成長も停滞する中で、インフラの維持管理と更新という課題に直面することになる。
日本が「水の豊かな国」足り得たのは過去の話である。人口が急増してもなお豊かな水利用を享受できたのはひとえに多大な経済投資の恩恵にほかならない。財源が限られるなか、私たちはなにを重視しなにを放棄するか、社会やインフラ全体像の中で、戦略的な優先順位付けを迫られている。
posted by バスター at 23:11| Comment(0) | 「水」の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月27日

塩入り飲料 猛暑で好調

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7月24日 朝日新聞朝刊 経済面からの記事です。

熱中症対策で人気

塩分入りをうたった飲料がこの夏、売れに売れている。
全国的な猛暑で熱中症対策を気にかける消費者が増えたところに、早い梅雨明けも手伝って一気に品薄気味。
増産に走る大手飲料メーカーがうれしい悲鳴を上げている。

清涼飲料業界で「塩」をアピールするのは、長らく「御法度」とされてきた。
高血圧など、生活習慣病を連想させるためといわれてきたが、この夏はあまりの暑さに、テレビや雑誌などが連日、水分とともに塩分を補給することの大切さを報じ、流れが変わったようだ。

キリンビバレッジが6月に改良発売した「世界のKitchenからソルティライチ」(キリンビバレッジ)
今月に入って生産計画量を3割引き上げ、生産工場も7か所から11か所に増やした。物流網が確保しきれず、「品薄の店もある」ほどだ。
100ミリリットルあたりナトリウム43ミリグラムを配合する商品は、職場での熱中症予防で厚生労働省が勧める40〜80ミリグラムの範囲に当てはまる。
このため、夏限定でパッケージに「夏の脱水対策に、塩分・水分補給」と示したことが人気を呼んだ。

ダイドードリンコは「塩分補給!夏の塩スイカ」(ダイドードリンコ)を夏季限定で7月投入。想定を大きく上回る売れ行きで、計画分の出荷を早くも終えた。

サントリー食品インターナショナルが6月発売した「塩のはちみつレモン」(サントリー食品インターナショナル)は甘さを抑えつつ、すっきりした味わいがうけ、好調という。



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2013年07月23日

北極海の氷、減るとどうなる?

7月20日 朝日新聞 夕刊 ニュースのおさらい ジュニア向け からの記事です。

今までで一番狭い面積に

北極海の夏の海氷は1980年ごろから減り始めて、ここ10年解ける量が多くなってきている。
人工衛星で観測を始めた79年から2000年までの9月の海氷面積の平均は670平方キロあったが、昨年は、341平方キロになった。観測史上、最少の記録だ。

原因は二酸化炭素などが増えて、温度が上がる地球温暖化だ。
海水温も上がって北極海の氷が解ける。白い氷は太陽の光を反射するが、氷が解けると海面が出て、太陽光を浴びて海水はさらに暖まる。氷はできにくくなり、できても解けやすい。こうして海氷は減り続けてしまうわけだ。

一方、南極の氷は減少がはっきり確認されていない。北極海のこおりが海に浮かぶ薄い氷なのに対いて、南極の氷は大陸の上にあり、厚さは平均約2千メートルもある。地球上の氷の9割もの量があって、簡単に解けない。

気象に変化 船は近道

「このままいくと、30~50年後には夏の北極海に氷がなくなってしまう」多くの研究者はそう考えている。

海氷が変わると、海や沿岸の生き物も影響を受ける。エサが取れる場所が変わって、住む場所が変わったり、生息数が増えたり減ったりするかもしれない。

気象は変化が出始めている。海面が出たり氷におおわれたりすることによって、その上の大気の流れが変わるからだ。北極周辺だけでなく、影響は広くに及ぶ。北極の海氷が小さくなると低気圧の通り道が変わって、日本の冬が寒くなるという研究も報告された。さらに海氷が減っていけば、異常気象にもつながっていくかもしれない。

心配ばかりではない。
ほっきょくの海氷が消えると、船が通れる「近道」ができると期待する人たちもいる。
東京から欧州に船で行くのに、アフリカ大陸の南端をまわると約2万8千キロ、スエズ運河を通っても2万キロ以上だが、北極海を通れば1万3千キロですむ。
昨年は氷がなくなったロシア北部沖を通って、船が46回も行き来した。

さらに詳しくはこちらから 北極海航路(ウィキペディア)



posted by バスター at 23:26| Comment(0) | 「水」と環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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