2013年09月30日

苦境の水道 救う民間力

9月24日 朝日新聞 朝刊 経済面の記事からです。

縮む人口 事業維持へ先手
広島に企業主導の会社 


飲み水をつくる施設の運営は自治体の仕事ー。
そんな常識をひっくり返す取り組みが広島で始まっている。
全国初、民間主導の水道事業会社の誕生だ。
人口減少などで需要が減り、水道事業の運営は年々厳しくなるばかり。
そんな苦境を「水ビジネス」という企業の視点で乗り越えようとしている。

広島県西部にある大竹市にある三ツ石浄水場。
同市内に飲み水を送るため、広島県企業局が運営してきた施設だ。
今年4月から、「水みらい広島」が管理し始めた。



資本金6千万円で、東京都内の水処理会社「水ing(スイング)」が65%、広島県が35%出資した。
東京や大阪など大都市でも、自治体が出資した株式会社が水道施設の管理を担うが、民間が株式の過半を握り主導するのは、広島が初めてだ。
社員は約40人で、県とスイングの出身者が半分ずつ。
全社員に携帯情報端末を配り、浄水場の点検記録を現場電子入力するシステムが6月から動き出した。
スイング出身の社長は、「県が蓄えた運営ノウハウを受け継ぎつつ、ITで効率化を進めたい」と話す。
試算では、5年後には維持運営費を県直営よりも年間4千万円減らせる。
ただ、この金額は県の水道事業の運営費の1%にも満たない。
運営費のほぼ半分は、浄水場などの設備費が占めるため、民間に管理を任せてもそれほど大きな削減効果を見込めるわけでない。
それでも県が民間主導の新会社設立を考えたのは、設備の以上にいち早く気づくなど水道の技能継承への不安があったからだ。
県企業局の技能職約50人のうち50代が約20人で、20代は数人。
大量退職が今後進む一方で、水の販売が伸びずに新規採用は難しい。
民間企業であれば、企業局がやっていた水道事業以外にも仕事を広げ、事業を維持拡大することができる。
企業局長は「将来の水安定供給のため、技術と人材をプールする器ができた」と話す。

全国で電力は10社、都市ガスは約200社ある。
水道は「原則として市町村が経営する」と法律で定められているため、運営主体は1千以上にも及ぶ。
「水は住民の命を守る存在。しかし小さな自治体の水道事業はまるで「限界集落」のようだ。」
広島県水道課長は、人手不足に苦しむ実態を話す。
広島県内でも最大の広島市は水道職員が600人いる一方で、人口が少ない自治体は数人。
人事異動で技能や経験が途切れ、防災など危機管理に手が回らない。
これまで市や町に水を卸売りしてきた県企業局は、「水みらい」で小さな自治体の水道事業を支えることを目指す。

水消費の減少や施設の老朽化など、水道事業の先行きは全国的に厳しい。
収入が減って費用が増え続けると、将来は値上げが繰り返される。
水道事業を広域で運営して費用を抑えるなどし、安定経営を目指す。
視線は広島県だけでなく、海外にも向く。
日本では縮む一方の水道事業だが、海外では今後大きく膨らむ。
「水みらい」は将来的に国際入札の参加資格を取る予定だ。
親会社の水ingh、商社の三菱商事や水処理施設メーカーの荏原製作所のグループ企業のため、
海外展開で協力できる。

「経営に失敗したらどうするのか」「撤退されることはないのか」
自治体が長年手がけた水道事業なだけに、広島県が水みらいに任せる際も県議会から不安の声が出た。
初の民間主導の運営会社の今後を、各地の水道行政担当者が見つめている。


関連リンク

水みらい広島

水ing

広島県企業局 広島県営水道ビジョン・広島県営水道経営プラン




posted by バスター at 23:07| Comment(0) | 水道水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月29日

水分補給のタイミング

これまで、人間の体にとって、水分補給の重要性については、見てきました。
特に食事中など、タイミングにも配慮する必要もあるということです。

posted by バスター at 21:49| Comment(0) | 「水」とダイエット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

失われた湿地 放置7年 群馬県境 利根大堰河川敷

9月24日 朝日新聞 朝刊 埼玉版の記事からです。

国、対策ないまま掘削開始

 


掘削場所は、行田市と群馬県千代田町間の利根大堰の下流で、群馬県側の長さ約2.5`に及ぶ河川敷。
かつては湿地帯で、動植物が数多くいたが、
1968年に大堰が完成して水が減り、土砂がたまって乾燥していた。
利根川上流河川事務所は、2003年、他の堤防建設のため、土砂掘削を開始。
地元の環境団体に意見を聴き、表土を掘削後に再び戻して植生を維持し、湿地帯を回復する工事をした。
工事の結果、06年ころには一帯にオギ原が再生し、多くの動植物も戻った。

だが06年5月、同事務所は工事で表土をはぎ取り、オギ原や湿地は再び失われた。
08年に朝日新聞の報道で明らかになり、同事務所は、
「所内の連絡不足で、環境回復の経緯が伝わっていなかった。」と回答。
再生した自然を自ら台無しにした反省から、今後は環境団体と連携し、再び回復を図ると約束した。
11年8月に、事務所は、地元の環境団体と協議を重ね「大堰周辺の治水と環境検討会」を設置。
地元の環境団体や自治体が参加し、対策を話し合う場ができた。
河川敷は06年の工事以降乾燥が進み、車やバイクが立ち入って草木をなぎ倒す被害も増加。
環境団体によると、07年に確認した動植物21種が、13年には5種に激減していた。

このため、環境団体は事務所に対し、動植物の生息状況を調査し、どのような再生工事をするか示すよう要請
車やバイクの侵入防止対策も求めた。だが事務所は、「大規模な調査をする予算がない」
車とバイクの侵入は「河川は自由利用が原則」と回答。
検討会は3回開いたが、議論はまとまらなかった。
そんな中、昨年3月に事務所は掘削工事を再開。
「環境には影響しない場所の工事」と説明したが、環境団体は
「私たちが求めた対策は何一つ行われていない」と反発を強め、
それ以降検討会の開催に応じていない。
「検討会は意見を聴くだけのアリバイ作りだ」
「意見を反映できる仕組みにしないと、検討会の意味がない」と環境団体。
事務所は「検討会は意見を聴く場。あり方を変更する考えはない」という。
両者の言い分は、平行線のままだ。

関連リンク

利根川上流河川事務所

全国環境保護連盟  岩田かおる代表

オギ原(国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所)

河川は自由利用が原則(国土交通省 関東地方整備局)

利根大堰(ウィキペディア)



posted by バスター at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 「水」と環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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