2013年07月20日

平成の名水百選


平成の名水百選

昭和60年、当時の環境庁が身近な清澄な水であって、古くから地域住民の生活に溶け込み、住民自身の手によって保全活動がなされてきたものを再発見し、これを広く国民に紹介することを目的として「名水百選」を発表しました。

このいわば、「昭和の名水百選」が発表されてから20数年がたち、社会情勢の変化を踏まえるとともに、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境の中で、特に地域住民などによる、主体的な保全活動が持続的に行われているものを、「平成の名水百選」として選定しました。

選定方法及び選定に際しての評価事項
1、水質・水量
2、周辺環境の状況
  (周囲の生態系や保全のための配慮など)
3、親水性・近づきやすさ
  (水への近づきやすさや安全性を重視)
4、水利用の状況
  (水利用の伝統を含む)
5、保全活動
  (保全活動の内容・効果を重視)
6、その他の特徴・PRポイント
  (故事来歴や希少性など) 

選定結果
推薦のあった162の湧水等の中から100か所を選定しました。

名水百選のリストはこちらから

昭和の名水(ウィキペディア)

平成名水百選(ウィキペディア)
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2013年07月14日

水辺の環境ガイド


水辺の環境ガイド―歩く・読む・調べる

<人と川>
川は、もともと私たちの暮らしと密着した身近な水辺であった。
しかし、明治時代の中ごろから始まった「近代治水」によって、多くの河川が堤防で囲まれたコンクリート護岸となり、無機質で冷たく近寄りがたい存在になってしまった。
ここ数年、たとえば1997年の河川改正法や、2001年の水防法改正に見られるように、私たちと川の関係の見直しが進められつつある。
すなわち、河川管理の目的として従来の「治水」と「利水」に加え、新たに「河川環境」(水質・景観・生態系)の整備と保全が組み込まれた。

<水辺の公共事業>
巨大公共工事に対してさまざまな批判がある中、依然として、ダム・河口堰・放水路・干拓など大規模な土木工事が計画、実施され、日本では、川や湖,海岸の水辺環境は大きく脅かされている。しかし、1990年代から幅広い市民運動や国の公共事業見直しの中で、そのような巨大開発事業の一部が中止、縮小されるような例も見出されるようになった。

<環境の多様性>
国土におけるさまざまな開発行為によって傷ついた河川・湖沼・湿原・干潟・里山などの自然環境の再生を目指して、2003年「自然再生推進法」が施行された。その視点として、1、地域に固有な生物多様性の確保、2、多様な主体の参加・連携、3、化学的知見に基づいた長期的、順応的対応があげられている。
これまでも、「自然に優しく」と称して、「親水護岸」「植生復元」などが一部で行われてきたが、画一的な対処療法で終わるのでなく、各地域の環境(自然環境・人文・社会環境)の多様性を重視した姿勢が問われる、

<生き物との共生>
1992年の地球サミット(国際環境開発会議)では、それまでの野生生物保護の枠組みを広げ、広く地球上の生物多様性を保全し、生物資源の持続的利用や、利用にもとずく利益の公正、公平な分配を目指して、「生物多様性条約」が調印され、翌年発効した。日本ではこの条約をふまえ、1995年に「生物多様性国家戦略」を決定し、2002年に見直した。そこでは、生物多様性の危機として、1、人間活動や開発による直接的な種の絶滅や生態系の破壊、2、人為的な働きかけによって維持されてきた里地・里山・溜池・水路・水田・牧草地などに特有な生物や生態系の縮小、消滅、3、外来種による生態系の攪乱の3つが明示されている。

<地球規模の環境変動>
20世紀中の気温上昇量は0.6℃でさらに2100年までには、1.4〜5.8℃上昇されると予想されている。海面もすでに過去100年の間に10〜25cm上昇しており、2100年までに9〜88cm上昇すると予想されている。
このような、気温や海面の上昇は、重要性が増している世界の水資源に大きな影響を及ぼし、エルニーニョ・台風・高潮の発生頻度や規模の変化などを通して、沿岸域に大きな影響を及ぼす。
posted by バスター at 22:11| Comment(0) | 「水」の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月23日

バラスト水と外来種

6月22日 朝日新聞be(土曜日版)からの記事です。

船のタンクに入って世界中を移動

船がバランスを保つために、タンクに入れて運ぶ「バラスト水」(ウィキペディア)が生態系を壊すとして問題になっています。
船は荷揚げすると軽くなるので、その代わりの「重し」として、港の水などを「バラストタンク」に入れます。この時混じりこんだ生物が、寄港先でバラスト水と一緒に排出され、外来種として定着してしまう恐れがあるのです。

バラスト水で運ばれたとみられる悪名高い生物の一つが、クシクラゲ類(ウィキペディア)です。黒海で1980年代に増えて問題化し、その後カスピ海などでも大発生しました。もともとは北米の沿岸に生息していたこのクラゲは、魚のえさとなる動物プランクトンを食い荒らし、魚の卵なども食べてしまいます。このため、漁獲量の減少を招き、漁業に打撃を与えたと指摘されています。
このほかカニや貝類などの生物も、幼生がバラスト水に混じるなどして世界各地に運ばれ、外来種化した疑いがもたれています。

日本とオーストラリアを結ぶ貨物船のバラストタンクを調査した結果、赤潮を発生させ、養殖魚を殺す有害植物プランクトン「シャットネラ」(ウィキペディア)がタンク内の泥から1キログラムあたり140個も見つかりました。
これらは、船がバラスト水を排出する時、一緒に外部に出る恐れがあるといいます。バラスト水自体からも、カキなどの二枚貝を毒化させ、人の健康を害する「まひ性貝毒プランクトン」も検出されています。一方、貨物船のタンクから採取したバラスト水を培養してみると、外来種として海外で問題になっているアオサ類(ウィキペディア)の海藻が、実際に生えてくることが確認されました。

東京湾で国際航路の船が排出するバラスト水は年間400万トン。一方東京湾から海外に運ばれる量はさらに多く、8900万トンにものぼります。また、別の推計では、世界中で移動するバラスト水は年間30億〜50億トンと報告されています。

バラスト水によって生物が本来の生息地でない場所に運ばれるのを防ごうと、国際海事機関は04年「バラスト水管理条約」(ウィキペディア)を採択しました。国際航路の船が排出するバラスト水に含まれるプランクトンや細菌などの量を、基準値を設けて規制する内容です。
日本はまだ批准していませんが、すでに36カ国が批准しました。批准国の商船合計総トン数は世界の29.07%。これが35%以上になれば、1年後に条約が発効します。

日本や欧州などのメーカーがバラスト水を処理し、含まれる生物の量を基準値内にする装置を開発、実用化しています。オゾンや紫外線にさらす、殺菌剤を入れるなど、さまざまな方法があります。
条約の発効をにらみ、対策を前倒しする動きも出ています。設置費用は「船の大きさにもよるが1〜2億円」と言います。船会社にとって決して軽い負担ではない。ただ条約は2015年前半にも発効する可能性が高い。環境配慮もふまえ、先取りしてバラスト水対策を進めているそうです。

船による輸送が日本の貿易に占める割合は、輸出が99.1%、輸入が99.8%(2011年重量ベース)
航空機による物流が盛んな現代ですが、輸出入を支える「主役」は今も船舶です。
つまり、船のバラスト水の問題は、私たちの日々の暮らしにも大いにかかわりがあるのです。



posted by バスター at 07:27| Comment(0) | 「水」と環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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